30歳を超えたら死に支度 その4

身辺整理。
 死に支度とは、死ぬとは何か考えれば、死に支度とは、死んだ後の世界に何を残すかです。あなたは今、どんな社会にいますか?あなたを死に追いやって喜ぶ人々、何とも思わない人々、迷惑がる人々、死ぬ人がいるだけ、死ぬ環境があります。自分の環境に応じた支度が必要です。

 その1、その2、その3で死んだ後の費用について書きました。しかし、死んだ後の費用はあなたが払うことはできません。ですから、もし、その費用を負担させても構わないなら、実は死んだ後のお金はいらないのです。まず、自分をとりまく環境をまとめましょう。

・自分が死んだら相続する人はいるのか(相続とは、借金、つまり、死んだあとの費用も強制的に相続させられます)
・自分のかわりに金を払わないといけない、つまり保証人はいるのか(賃貸住宅などだと、保証人に請求が行きます)
・恨む人間はいるのか
・感謝する人間はいるのか

 このあたりをまとめる必要があります。相続については、手続きをすれば拒否することが可能なのです。もし、賠償金がいっぱい必要な自殺方法をとったとしても、法律で定められた相続人(法定相続人といいます。親や子、兄弟などです)に、相続を断る手続き(相続放棄といいます)をするようお知らせをしておく必要があります。これは、あなたが死んだことを知ってから3ヶ月以内という期限がありますので、気をつけてください。賠償金をせしめる側は3ヶ月後に賠償金を請求します。

 ここで落とし穴なのですが、賃貸住宅での自殺や、借金(奨学金)などを抱えていた場合、保証人になっていることがあるのです。賃貸住宅で自殺をしたら、法外な賠償金を大家は請求してきます。その時発生した賠償金は、もし、例え相続放棄をしても、保証人であれば関係なく支払いをさせられます。注意してください。保証人は本人が死んだらかわりに金を払わないといけない制度で、強者保護の明治時代以前からの制度です。借金(奨学金)も、保証人がつけられていることがほとんどです。

 保証人問題がなければ、ここは考える必要がありません。あとは粛々と支度をしましょう。恨む人間には、死ぬのがわかっていれば復讐する大チャンスですが、ここではただ単に死に支度、つまり、老衰や不慮の事故で死ぬことを想定しているので、書きません。恨みを晴らす方法などは、別にお探し下さい。いろいろあります。死刑(絞首刑)より残酷な刑罰は、無期懲役(一部で誤解されていますが、今の日本での無期懲役は現実は終身刑、ほとんどの無期囚が死ぬまで刑務所を出られません)ぐらいです。感謝する人間、いろいろあります。感謝する人には、今、自分が出来ることをぼちぼちやってあげましょう。ただ感謝するだけでいいのですが、その感謝を形で、行動で示すのです。

 あなたは、いつ死ぬかわかりません。30を過ぎれば、死因における自殺の割合は減り、早くも癌にかかる人、白血病になる人、エイズを発症する人、脳梗塞心筋梗塞で倒れる人、増えてきます、もう、30代ともなると、死は目前なのです。ですから、感謝を形にするなら今しか無いと心得ましょう。どうすれば迷惑を最小限に抑え、相手に幸せになってもらえるか、それこそが、死に支度なのです。基本的に感謝を形にするには現金が必要です。これが一番死に支度で面倒なところでしょう。

その5へ 続く