群馬大学(学長 高田邦昭 小池啓一教育学部長)学問の自由の自殺

東京新聞(2011/12/10)「こちら特報部」ニュースの追跡
                                                                                                     群馬大会見に横やり東京新聞(2011/12/10)「こちら特報部」ニュースの追跡短文投稿サイト「ツイッター」で、福島第一原発事故絡みで不適切な発言をしたとして訓告処分された群馬大学早川由紀夫教授。いち早く「放射能汚染地図」を作製し、警告し続けてきた学者だ。発言は被災農家に対する中傷ととられかねない内容だったが、その是非はおいておく。驚いたのは、八日に早川教授が開いた反論会見に大学側が異例の横やりをいれてきたことだ。その一部始終を−。(前橋支局・川口晋介、中山洋子)不適切発言反論で電力使用禁止早川教授が「(高田邦昭)学長から訓告された」と投稿したのは七日午後五時すぎ。取材を申し入れると、翌八日に大学で記者会見をすると連絡があった。会見場に設定されたのは、教育学部棟二階の教授の研究室。地元報道機関やネットメディアと教授を支援する市民ら十数人が集まった。開始予定前、大学関係者の男性が入室し、名乗りもせずに「早川先生は今、休暇届を出されている。この建物を使用する立場にない。公の施設を使用することは認められない」と切り出した。男性は会見が開かれることを知りながらも「何をするのか承知するところではない。中身ではなく、施設使用は不法状態」と、出席者に氏名所属の届け出を求めた。困惑する報道陣に立場を明らかにしたのは小池啓一教育学部長。記者が「教授が休暇中に学内にいてはならないというのは一般通念に照らして通らない」と問うと、「教育研究に使うためにある部屋。それ以外に使う場合は許可を取っていただく」と言い切った。管理権乱用「表現自由な場所のはず」「施設管理の問題」と会見中止と退去を求める小池学部長と、「大学は自由に学問する場所、自由に発言できる場所では」と問い掛ける報道陣。押し問答が続き、最後は学内の電力を使用しないという条件でうやむやのまま決着。会見は蛍光灯とエアコンを消した暗がりと冷え込みの中、ようやく始まった。早川教授によると、会見をめぐっては、大教室の使用許可を取り公開授業形式で考えたが、学部長の決済がなかったとして一転不許可になった経緯もあったという。同行した戸沢勲事務長は九日、「こちら特報部」の取材に「事情を知らないで訪れた外部の方々に、手違いの謝罪もせずに退席を求めた。失礼な表現があったことは確かでおわびしたい」と対応のまずさを認めた。その一方で「個人的な会見は、学外でしてほしいと申し入れたら、休暇届を出された。休暇であるならなおさら学内の施設を使う根拠はない」と強調。今回の混乱は「早川教授の対応が問題」と繰り返した。大学側の対応をどうみたらいいのか。「施設管理権を盾に取り、記者に出て行けとは、大学人の行動とは思えない」と、疑問視するのは藤田博司上智大教授(メディア論)。「大学は多様な意見の人が集まり、学生だけでなく、外部に向けても、自由に表現できる場所のはずだ。仮に研究所が使えなくとも、食堂の片隅など学内にはいくらでも場所は有る」原子力機構と連携協定締結群馬大は日本原子力研究開発機構原子力機構)と連携協定を結んでおり、原子力ムラ批判の言論封じと疑う向きも。立教大社会学部の服部孝章教授も「国立大こそ開かれていなければならない。処分された当事者の言い分を聞くのは当たり前。会見中止を求める不可解な行動は、どう勘繰られても仕方がない」と話した。

原子力機構と連携協定締結
群馬大は日本原子力研究開発機構(理事長 鈴木篤之(元内閣府原子力安全委員会委員長) 副理事長 辻倉米蔵(元関西電力取締役))と連携協定を結んでおり、原子力ムラ批判の言論封じと疑う向きも。