30歳を超えたら死に支度 その5

さて。死んだ時の流れについて書いて来ましたが、実際、「さぁ、明日から死に支度をしておこう」と、意気込んで実行できるような人はいないでしょう。そんな行動力がある人は、死ぬことすら予期していないと思います。仕事にプライベートに充実し、潤沢な収入があり、沢山の仲間・友達・後輩・子分に囲まれ、自信に満ち溢れた欲望ある生活を送っていると思います。
では、私たちはどうすば良いのか。それは簡単です。「考え方を変えること」です。死ぬ予定のない人もいるでしょうけれど、ユニクロファーストリテイリング)の社長、柳井正は、

将来は年収1億円か100万円に分かれて、中間層が減っていく。
仕事を通じて付加価値がつけられないと、
低賃金で働く新興国の人の賃金にフラット化するので、
(理論上は)年収100万円のほうになっていくのは仕方がない

と、発言しました。
今の日本の労働者の生殺与奪権を握る経営者のトップの一人であり、日本の実質的頂点である首相の安倍晋三とは2013年1月に会食をし、屈託の無い意見交換をできる仲であります。この2人の方向性が一致しているということは、将来この様になるでしょう。首相の安倍は2013年7月頃の参議院選挙を睨んで口を慎んでいますが、平成25年2月28日施政方針演説にはこのことを読み取れる項目があります。

「共助」や「公助」の精神は、単に可哀想(かわいそう)な人を救うことではありません。
懸命に生きる人同士が、苦楽を共にする仲間だからこそ、
何かあれば助け合う。そのような精神であると考えます。
意欲のある全ての日本人が、世界の成長センターで、存分に活躍できる環境を整えます。
高い技術と意欲を持つ中小企業・小規模事業者の挑戦を応援します。
試作品開発や販路開拓など、新しいチャレンジを応援する仕組みを用意します。
世界一を目指していこうではありませんか。

施政方針演説は大抵が官僚の作文で、内容は完璧にできて非の打ち所が無い様に作られています。その施政方針演説で、ここまで、世界一を目指すことに配慮しています。これは、斜め読みしなくても、純粋に、格差や(日本の)貧困対策には言及せず、それを黙認以上に認めていることになります。これ以外は、政治家の公約のような玉虫色の耳障りの良い差し障りの無いいつもの国民へのリップサービスです。
つまり、30代であれば、あと20年もすれば、年収100万程度で貧困・奴隷生活を強いられるか、それとも年収1億円の高所得層になるか、という時代に進んでいきます。今は徐々に、しかし、ある時期から急速に進んでいくでしょう。
そこで私たちにできることは、「できることからこつこつと」です。ネットで情報収集するのも良いですが、それと並行して実際の行動を起こさないといけません。前段で書いたとおり、今、30歳を過ぎている人は、およそ50歳になった頃には、八方塞がりになっているでしょう。だから、仮にプラス10年したとしても、60歳以降のことは考えなくて良いのです。
いやむしろ、60歳、余裕を持って65歳までには死ぬという心構えを持つことが大事です。もちろん、人生を終える期限を決めている、薄々想像している人はその時点で構いません。5年以内に死ぬつもりなら、5年後以降のことは意識して無いものと考えることです。こうすることで、身辺整理はかなり捗ります。
身辺整理が捗ると共に、気楽にもなります。子供も要らないし、まだ若いから医療保険もいらない。国民年金も貰える訳が無いから払わない、となると、生活がとても楽になるという実益をももたらします。あと5年以上使えるものについては、もうそれについて一生考える必要がなくなります。6年後に満期になる定期預金など、意味がありません。
そして、あと何回冬が来るのか、と、考えると5回です。冬があと5回しか来ないのに、何回も冬が来る対策をする必要もなければ、住処の修繕も、長年のことを考えるより、今、応急で5年持てば良い、と、考えるようになります。その心構えから始めて下さい。
死ぬまで○日、というブログが有名になりました。死ぬ日が決まっているなら、もう、難しいことを考える必要もありません。今年の夏の8月15日に死ぬ予定の人が冬のことを考える必要もなければ、3ヶ月分以上の様々な前払いをする必要もないのです。
こうやって、頭の中をスリム化し、次の冬までに死ぬ予定の人は、1枚づつでもいいですから、冬服を捨てていくなど続けることです。一気にやるから疲れるのです。千里の道も一歩から、まず、今、できることをやってみよう。

一番おすすめしたいのが、「大切なコレクション・記念品などの廃棄」です。冥土に持っていくことはできませんからね。最初は抵抗がありますが、一番大切なものを、エイ!と捨ててしまうと、とても楽になれます。あとから、あれを捨てたんだから、この程度捨てても問題無いよね、って感覚になれます。是非ともお勧めです。大切な不要なものを捨ててみましょう。この冬買った新品のお気に入りのコートや、今も忘れられない大切な人の思い出の品、捨ててみませんか?